G-SOLDIER ADVANCE  当サイトのガンプラ講座です、初心者向けにガンプラを作る(中級者編)を紹介しています。
LESSON 12

LESSON 12 「ガンプラ接着剤基礎編」(中級者編)













ガンプラ接着剤基礎編(中級者編)


量子演算コンピューター「Neal」です。
ここでは中級者編として、ガンプラを本格的に加工・製作するシミュレーション・トレーニングをしていきます。
ガンプラの加工・製作の基礎として、まずは接着剤についての知識を身につけていただきます。
接着剤の扱い方を学ぶことは、ガンプラをあらゆる形に成型することができる第一歩となります。
本格的な扱い方、実技等は次回の「接着剤応用編」で挑んでいただきます。
まずは接着剤の”基礎”をトレーニングしていきましょう。
しっかり気合を入れて行ってください。


あくまで基礎ですので、ここでは高度な技術は使用致しません。
まずは接着剤の用途、種類、性質についてマスターしていきましょう。
トレーニングの指示どおりに行うことで、戦略の幅が広がり、戦場での行動範囲が一気に広がります。
それでは見ていきましょう。







接着剤は有毒



初級編をクリアし、まだ戦える!成長できる!もっと強くなれる!
そんな貴方のためのトレーニングとなります。

そこで中級者編の第一弾としてチョイスしたのが、「接着剤の扱い方」についてです。
模型用の接着剤にはどういったものを選べば良いか、どういった役割があるのか、このトレーニングで学んでいきましょう。

まず、覚えて欲しいことは、接着剤は有毒であること。

くどいようですが、よく分からない方はLesson8に戻ってやり直して下さい、このトレーニングを受ける資格がございません。
(*ここでは有害性については詳しく説明致しません、各自で予めクリーンな環境の構築・配慮を行なって下さい。)
次世代を担うモデラーには必須です、模型の戦士(ソルジャー)として当然求められるもの(そういう時代)と認識して下さい。

汚い、臭い、周りに迷惑をかけてまで自己の趣味に没頭することは”ただの迷惑行為=テロリスト”となります。
模型の戦士(ソルジャー)として失格。


誇り高き模型の戦士(ソルジャー)が”テロリスト”にならないよう、この点は注意してください。

綺麗に作る・上手に作るだけのモデラーの時代は既に終わった、環境に配慮した模型の楽しみ方も問われる時代なのです。
環境(周囲への気配り)に配慮することができないようでは、それはモデラーではない、
ただの”テロリスト”です。


何が言いたいのかは、もうお分かりですね?







   

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神風である「換気」と、三種の神器「マスク・ゴーグル・手袋」を必要に応じて用意すること。
それでは始めていきましょう。








主力の接着剤は2タイプある




接着剤と聞くと、「あ〜くっつけるんでしょ?」または「貼り付くんでしょ?」
「壊れたパーツを直すのに使うんでしょ?」というイメージかと思います。

その通りでもあるのですが、接着剤は実はすごく奥が深い性質をもっているのです。
ただくっついているだけではないのです。
またどういう接着の仕方をしているのかも学んでおくことが重要になってきます。



そこでまず、主力となる模型用の接着剤には大きく分けて
2タイプあることを知りましょう。

@瞬間接着剤タイプ
Aプラセメントタイプ

だいたい、ガンプラの製作(模型関連)ではこの2つのタイプの接着剤を使うことがほとんどです。
当然、いろんな接着剤がこの世の中には存在するので2タイプだけとは限りませんが、大きく分けるとこの2つかと思います。
この2つを把握していれば、接着剤を扱ったガンプラ製作において困ることはありません。



後にこの2つのタイプについて詳しく見ていきますので、この2つの違いをしっかり把握していきましょう。











接着には材質が関わってくる



ガンプラ(模型用プラスチック)はいくつかの材質でできています。
プラスチックにもいくつもの種類があるのです。

接着剤はその
材質によって接着できる得意・不得意が存在します。
それでは材質にはどんなものがあるのか見ていきましょう。












↑まずは
”スチロール樹脂”と呼ばれる材質です。
ガンプラで言うところの”装甲や外装パーツ”に当たる部分ですね、基本的にはガンプラはこのスチロール樹脂が大半です。
スチロール樹脂は
プラセメント瞬間接着剤のどちらも相性が良い。

*ちなみにガンプラの説明書にパーツ一覧が記載されており、どのパーツがどの材質か表示されています。













↑そして、他には
”ABS”とよばれるスチロール樹脂よりも強固にできたプラスチック素材があります。
こちらは強度を上げなければいけない部分、内部パーツや関節などに使用されている硬い素材です。
画像で言うと、グレーの色をした部分(コクピット部など)で、大型のキットやMGなどのフレームに使用されています。
ABSパーツは
ABS専用接着剤(プラセメントの強力タイプ)と相性が良い(*ただし、破損することも多い。。。)

















↑ガンプラの関節を動かすポリキャップとして使用されている
”ポリパーツ”です。
このポリパーツはほとんど接着剤で接着させることができないパーツになります。
*ごく一部の接着剤であれば接着させることもできます。
















↑模型工作で多々使用される
”金属”の代表が「真鍮棒」となります。
基本的には、アンテナ類、砲口、関節等のピン軸、各関節やパーツ部の補強等に使用されます。
瞬間接着剤と相性が良い、各種サイズが出ているので、ある程度揃えておくと安心です。
穴の空いた
「真鍮パイプ」なども存在します。










      



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↑ガレージキット等に使用されている
”レジン(レジンキャスト)”です。
プラスチックとは材質が異なるため、プラセメントでは接着できない。
瞬間接着剤と相性が良い。



















↑最近ではほとんど見かけない
”ソフトビニール”、かつてはガレージキットなどによく使用されていました。
弾力性があるため、プラスチックとは材質が異なります。
瞬間接着剤と相性が良い。














これらのように、接着剤には材質との相性があることを覚えておきましょう。
















@瞬間接着剤を知る



模型用の接着剤には大きく分けて2つありましたね?
その内の一つである「瞬間接着剤」がどういう役割をもっているか知っていきましょう。
一度に覚えるのは大変ですので、何度も見返してまずは特徴を知っておきましょう。


瞬間接着剤のメリット・デメリットを見ていきます。



瞬間接着剤の特徴(メリットデメリット

■文字通り、瞬間接着とは言えないが
速乾性がウリである(だいたい数十分もすれば硬化します)。
■プラスチックだけではなく、金属など
他の材質にも使用可能な場合が多い(プラスチックや金属は特に有効)。
■硬化後はプラセメントと違い、樹脂を含んでいないため周辺に
ヒケ(窪み)を起こすことがほとんどない
■スチロール樹脂、ABS、レジンキットなど
模型工作の材質ほとんどに有効である。
少量塗布することでもっとも真価を発揮する、逆に大量に塗布すると接着に難を生じさせることがある。
■塗布する表面が綺麗でツルツルしている方が安定して接着することができる、逆に凸凹している部分には向かない。
■硬化後はプラセメントと違い、
塗布した部分はプラスチックよりも固くなる、そのためヤスリがけなどがしづらくなる。
■瞬間接着剤を使用すると
周囲を白化させることが多い(低白化用の瞬間接着剤以外はよく起こる現象)。
■瞬間接着剤はパーツの表面同士は強固にくっつくが、
横や斜めからの衝撃に弱い、つまり耐久性が弱く脆い
■速乾性であるため
揮発しやすく、早く使い切る必要がある、また皮膚に付着すると非常に危険(指同士が離れない等)。
■プラセメントと違い、耐久性が弱いため
”合わせ目消し”等は後にクラック(亀裂・ヒビ割れ)などを起こす可能性がある
■一部の接着剤を除き、
基本的にポリパーツを接着させる能力は持ち合わせていない。






このように、メリットとデメリットが混在しています。
しっかりとこの特徴を掴んでおきましょう。



では次に模型用の瞬間接着剤はどのようなものか実際に見ていきましょう。






















↑こちらは
WAVE「瞬間接着剤 ×3G(高強度)」となります。
*各社メーカーから瞬間接着剤が出ています、機能の差はあれ基本的にはどれも同じ性質のものです。
画像のものは模型ツールで有名なメーカーWAVE(ウェーブ)の商品となります。
どこのメーカーを選んでいただいても結構です。








   

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他にも
「ハイスピードタイプ」「低白化タイプ」などがあります、機能は文字通りですね。

















↑中を開けると、この小さいスティックのようなものが一般的な瞬間接着剤となります。(使用済みでごめんなさいw)
揮発してしまうことを防ぐために、袋などで密閉されているのがほとんどです。
当然、瞬間接着剤は蓋をしないで放置しておくとすぐに揮発して固まってしまいます。

なるべく空気には触れないようにするなど、取り扱いには十分注意しましょう。
基本的には蓋をして、密閉した袋に入れて保管することになります。
袋や蓋を捨ててしまわないよう注意しましょう。

















↑瞬間接着剤を使用するにはこのまま使用しても良いのですが、
「ノズル」があると便利です。
使用する接着剤の各社からノズルが発売されていますので、そちらを使用しましょう。
画像のは
WAVE「Kノズル」です。
先端が非常に細くなっているので、こういったノズルを何本か必ず用意しておきましょう。
ノズルが付属している場合もありますが、基本的には使い捨てなので、何本もあった方が便利です。















     

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↑ノズルを装着したので、これで瞬間接着剤を使用することが可能です。
使用する場合は少量つけるようにしましょう、べったりとつけると逆効果です。


















↑ガンプラでもスケールの小さいキットであれば、先ほどのノズルでも対応できない量や小さな面積で塗布することがあります。
*画像の1/144ワッパでは大人の小指第一関節程度です。
小さなパーツの多い戦艦キットなどであれば尚更スケールが小さくなるかと思います。
そういった場合には、ノズルで塗布するのではなく、違うツールを使用します。



















↑こちら
クレオス「Mr.グルー・アプリケーター」です。
材質が接着剤を弾くように出来ています、よって、パテや瞬間接着剤など後から綺麗に剥がすことが可能です。
瞬間接着剤はごく少量の方が真価を発揮しますので、どうも塗りすぎてしまう・・・という方にはオススメです。
これらを使用して、
”点止め(ごく少量、ちょんとつける)””ヘラを使った塗り”ということが可能になります。
*画像には載っていませんが、爪楊枝のように先が鋭利なタイプもあります、便利な商品なので、一つあると心強いです。
もちろん、爪楊枝や竹串でも”点止め”程度なら代用は可能です(笑)











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↑こちらはNealが製作した
ガレージキット「1/144 ガトル」です。
とにかく細かいパーツの接着やガレージキットなどには必須になるのが瞬間接着剤です。
ガンプラの改造などにも使用する日がやってくることでしょう。
















@瞬間接着剤の強度を知る





瞬間接着剤のイメージ、皆さんはどのように感じていますか?
表面同士を強固に素早くくっつけてくれる頼もしい存在、というイメージではないですか?

そんなの分かってる、当たり前のことを言うな!

と、おっしゃる方も多いでしょう。
しかし、その当たり前のことが非常に大事になってきます。

そう、
ただくっつけているだけ(貼り合わせているだけ)なのです。
よって、たいした耐久性を持ち合わせていません。

要するに、脆いのです。


・・・バカな、瞬間接着剤って強力なんじゃないのか?
どんな衝撃にも耐えるんじゃないのか・・・瞬間接着剤って瞬時に接着して強力にくっつくんじゃないのか・・・?


もう一度言います、
脆いのです。


いきなり期待ハズレなことを言って申し訳ないのですが、
瞬間接着剤は脆い・・・なぜそんなことが言えるのか、
どうして脆いのか、ガンプラ製作には欠かせない瞬間接着剤、一体どういうものなのかもう少し詳しく探っていきましょう。



















↑では瞬間接着剤の強度を実際に使って説明していきましょう。
とりあえず、プラ板にガンプラのバーニアを瞬間接着剤で貼り付けてみましょう。

一時間ほど乾燥させて様子をみます。

乾燥したので、触ってみます。
しっかりくっついています、一見頑丈にくっついているように見えますが・・・
ちょっといろいろ触ってみましょう♪




























↑ご覧のとおり、ぺきっと取れてしまいました・・・少し力を入れて横から突いたりするとこうなります。
*触るだけではこうなりませんので、ご安心下さい(笑)

これが瞬間接着剤は脆いの正体です。

一体、なぜ脆いのかさっぱり分からない・・・ということでしょう。
では分かりやすく図にしてみましょう。
















↑こちら、AパーツとBパーツを瞬間接着剤でくっつけたいと思います。
それでは真ん中に瞬間接着剤を塗ります。

















↑そうすると、ものの数分で硬化が始まり、一時間も経過すれば図のようにしっかりとくっつきます。
そして、パーツの表面同士でひかれ合うようにお互いを貼りあわせている状態なのが分かりますね?

これが瞬間接着剤のくっついている状態です。(*あくまでイメージ)

パーツの表面同士がしっかりとくっつき合っている状態です。







が、しかし・・・












パーツの表面同士はお互いに強固にくっついているのですが、これらとは違う横や斜めからの強い衝撃が加わると・・・
図のように、ぺりっと剥がれてしまうのです。

これが瞬間接着剤の性質です。

要するに、パーツの表面同士は接着されており強いが、横や斜めからの衝撃に弱いという性質をもっているのです。















↑剥がれた跡がついていますね、このように瞬間接着剤は便利ですが、耐久性はあまりないと覚えておきましょう。
再び同じように接着させる場合は、どちらも表面を綺麗にヤスリで磨く=剥がれた跡(ノリの部分)を除去する必要があります。

*剥がれた跡がついたままだと接着は出来ないので、表面を綺麗にして再接着しましょう。


















Aプラセメントの特徴




それでは、今度は2つの内のもう一つであるプラセメントがどういう役割をもっているか見ていきましょう。
プラセメントとは”プラモデル用接着剤”のことです。
一度に覚えるのは大変ですので、まずは概要をさらっと知っておきましょう。


それではプラセメントのメリット・デメリットを見ていきます。





プラセメントの特徴(メリットデメリット

■プラモデル用の接着剤、樹脂が含まれており
パーツ表面同士を樹脂で溶かすことで頑強に接着させることができる
■プラモデルの工作に必須になる
”合わせ目消し”もっとも強度を保った状態で有効にできる接着剤である
■プラモデルの工作に必須になる
”修復” ”幅増し” ”自作改造” など様々な創造を生み出すことが可能になる
■硬化後は瞬間接着剤と違い、
一体化したプラスチック素材に近い、そのためヤスリがけやナイフ削りなどがしやすい
■プラモデル用の接着剤なので、
プラスチック素材以外(布・金属・ポリパーツ等)を接着させる能力はない
■瞬間接着剤と違い、
硬化に時間がかかり最低24時間以上は乾燥させること、推奨は3日〜5日は様子を見る必要がある。
■瞬間接着剤と違い、樹脂が含まれているため、
硬化後は多少のヒケ(窪み)を発生させることがある。
■空気に触れ続けると
揮発する、ドロドロしてきたら揮発が進んでいる、使用後はすぐ蓋をすること
■硬化後は空気に触れたり、直射日光を浴びると(浴びなくても)
黄色く変色を起こすことが多い。(上から塗装が推奨。)
■ABSはABS専用プラセメントで接着させることができる(ABSは強固なため、溶かす樹脂の割合が高いABS専用がある)。






このように、メリットとデメリットが混在しています。
しっかりとこの特徴を掴んでおきましょう。













↑こちらは
タミヤ「プラスチックモデル専用接着剤 タミヤセメント」です。
メーカーは違いますが、類似の
クレオス「Mr.セメント プラモデル用接着剤(スチロール樹脂用)」があります。

要するに、どちらも略して
プラセメントと言います(笑)
成分も内容量もほとんど一致しているくらい同じような商品です。







 

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↑ついでに説明しておきます、こちらは
セメダイン「ABS用接着剤」
こちらもいわゆるプラセメントとなります。
模型メーカーでは
タミヤから出ていますね、私はなかなか見かけませんが。。。
一般的なスチロール樹脂よりもABSは硬く強固なため、樹脂を溶かす溶剤が強めに作られています。
通常のプラセメントではABSは接着させることが出来ません、ABSにはABS用のプラセメントが必要になるということです。
扱い方はプラセメントとほぼ同様です。
ただし、ABSの接着は難が生じることも少なからずあり、接着させた部分からクラック(ヒビ割れ)などが出来たり、
ABSはパーツに負担のかかる部分が多いため、接着後にパーツが割れてしまう場合もあります。










 

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↑それではプラセメント(スチロール樹脂用)を使ってみましょう。
プラセメントは瞬間接着剤と異なり、速乾性がありません。乾くまでに数日を要する接着剤です。

まずは貼り合わせるパーツを用意しましょう。















↑ハケの部分を使って、貼り合わせるパーツの表面(両側とも!)塗布します。
1回だけでなく2回塗り重ねても良いです、垂れない程度にしっかり塗りましょう。
画像は両側に塗布されています、ちょっと見にくいですね。。。















↑塗り終わったら貼り合わせます。
貼りあわせた後、少し上下左右にむにむに動かしてやると接着剤の部分が盛り上がってきます。
画像だとあんまり盛り上がっていないように見えますが、ちゃんと盛り上がっています(笑)
少し盛り上げるのがコツですので、接着剤の部分が凹んでいたり穴(気泡)が出来たりしないようにしましょう。
凹んだり穴(気泡)が出来ている場合は、塗布する量が少ない傾向にあるので、しっかり塗るように心がけましょう。















↑少し盛り上がったら、画像のように
「クリップ」を用意して挟み込みます。
こうしてぐっっと挟み込むことでしっかりパーツ同士が密着して接着させることができます。
当然、乾くまでに数日を要しますので、すぐに触ったり動かしたりしないこと。

数日後

その後にヤスリがけを行うことで綺麗に合わせ目を消す(ラインは多少残るが一体化している)ことが可能です。

これがプラセメントの基本的な使い方=
”合わせ目消し”です。
*”合わせ目消し”などの工作は後に応用編で取り上げようと思います。












   

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↑せっかくなので、剥がした状態も見てみましょう。
一度接着させてしばらくしてから、また剥がしてみました。
パーツの貼りあわせている部分がドロドロギザギザしているのが分かりますか?

これがプラセメントの特徴でして、樹脂によって表面を溶かしているのです。
溶かして、固めて接着しているのです。

*失敗した場合や剥がす場合は、デザインナイフで分割ライン部分を切り開くようにしてパーツを剥がしていきます。






















↑このプラセメントを使うことで、究極的にはこんなことも出来るようになります。
画像はNealが製作した
電撃ホビーマガジン付録「1/144 ガンダムケストレル」です。
左の画像のような合わせ目がたくさん存在しているキットでも、右の画像のように合わせ目を消して成型することが可能です。

このようにプラセメントを使いこなすと、一気に工作レベルが向上するようになります。
画像のケストレルもプラセメントでの加工が基本になっています。(*難しいキットですが、基本はプラセメントの繰り返し。)
切っては貼り合わせ、切っては貼り合わせる・・・これの繰り返しです。














↑合わせ目が消えるだけでもまるで違うキットですよね♪
プラセメントを使いこなすだけで、究極的にはどんな工作も可能になります。
















A恐るべしプラセメントの強度





瞬間接着剤の強度や接着の仕方は理解できたかと思います、ではプラセメントはどうでしょうか?
瞬間接着剤のように脆い部分はあるのでしょうか?

せっかくですので、また図にしてみました(笑)
それでは詳しく見ていきましょう。












↑瞬間接着剤と同じ最初の段階です、AパーツとBパーツをくっつけたいと思います。
まず、
くっつけたいAパーツ表面とBパーツ表面のどちらにも塗布して(両方に塗布)、むぎゅーっと貼り合わせます。
これをクリップなどで挟み込み、最低24時間以上、推奨は3日〜5日ほど乾燥させます。


先述したように、プラセメントは完全に硬化するまでに時間のかかる接着剤です。
瞬間接着剤のような速乾性はありません、それらも踏まえて見ていきましょう。














↑瞬間接着剤とは違い、すぐに硬化するようなことはありません。
図のように完全に硬化するまではムニャムニャとした状態です。

これはパーツの表面をプラセメントの樹脂によって溶かしている状態です。

言い換えますと、

くっつけ合う表面を溶かして融合させようとしている。

つまり、

一体化させようとしているのです。

これがプラセメントの”接着”なのです。

瞬間接着剤のようにただ表面同士を貼り合わせるのではなく、パーツ表面自体を一体化させてしまう、というものなのです。

完全硬化後には、このAパーツとBパーツの表面は一体化してしまうため、
A+Bパーツのように1つに合体してしまいます。















↑その姿はまさに、1つのパーツと言っても過言ではない。
完全硬化後には表面同士が溶かされ融合し、非常に強固な表面パーツになる。

瞬間接着剤との違いが分かりましたか?


















↑瞬間接着剤では横や斜めからの衝撃に弱かったのですが、あらゆる方向からの衝撃にも耐えてくれます。
なぜかというと、パーツの表面は溶けて融合し一体化してしまっているからです。

図のように横からの衝撃があろうと、もはや1つのパーツとして溶け出し固まっているため、
ポロリと取れるようなこともありません。
その強度さは、床にパーツを落っことしてもAとBパーツ同士が離れることはないでしょう。
*当然なんらかの形で欠けたり壊れることはあるので無理に叩きつけたりするのはやめましょうw

これがプラセメントの接着なのです。

そして、この原理を使った接着工作を
”合わせ目消し”といいます。















↑完全に硬化した後に前回の瞬間接着剤と同じようちょっと強い力で横からぐいっと突いてやります。

















↑びくともしません・・・(´・ω・`;)オゥフ










このように、プラセメントはスチロール樹脂のパーツであれば非常に強固に接着を可能にしてくれます。














その他の接着剤など






模型用の接着剤には、大きく分けて2つのタイプの接着剤がある。
もう、お分かりですね?

「瞬間接着剤」と「プラセメント」

この2つの特徴はなんとなくで良いので覚えておいてください。
しかし、世の中には他にもたくさん接着剤はあります。
模型用のメーカーだけでなく、工業用の接着剤もたくさんあります。

それでは、他にも使える接着剤はないか簡単に紹介しておきますので見ていきましょう。












↑こちらはタミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ)」、クレオス「Mr.セメントS(流し込みタイプ)」
クレオス「Mr.セメント・リモネン系(流し込みタイプ)オレンジの香り」(*タミヤからも出ています。)です。

要するに、どれも略して
プラセメント(流し込みタイプ)と言います(笑)

この流し込みタイプというのが特徴で、通常のプラセメントと違い”樹脂が含まれていない=無樹脂”と記載されていたりします。
*実際にどうか分かりませんが、溶け出す感じもあるので、無樹脂?・・・げふんげふん。
プラセメントのようなドロっとした感じはなく、サラサラとした使い心地で比較的速乾性もある接着剤です。
プラセメントと同じような感覚で購入すると使い方がまるで違うため痛い目をみます。

樹脂が含まれていないということは・・・そう、プラセメントの特徴を大きくなくした瞬間接着剤に近いタイプのもの。
でもプラセメントの一面も持っている、
イメージ的には、瞬間接着剤とプラセメントの2つのいいとこ取りしたタイプである。










     

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↑使い方は、あえて貼りあわせた状態で、ハケを当てて流し込んでいくように使用します。
*毛細血管のように流れこんでいく感じで使用する。
基本的には流し込みやすくなった瞬間接着剤と同じ用途だと思っていただいて結構です。
硬化後は比較的強度はありますが、
プラセメントのように頑強なものではないので要注意です。














↑このように貼りあわせた状態でつーーーーっと流し込んでいきます。















↑うまく流れていけば成功です。
ただし、流れ込みすぎてABSのフレームやその他の内部を破損することもあるため、多用は禁物です。
当然、内部にまで染みわたると、もう一度分解ということが困難になることもあるので、
使いドコロを間違えると瞬間接着剤やプラセメントよりも修復は厄介になります。
便利な商品ですが、リスクもあることを理解しておきましょう。





















↑こちらは
WAVE「黒い瞬間接着剤 高粘度タイプ」です。
瞬間接着剤タイプのもので、パテのように使ったり、軸を太らせたり、穴埋めに使用したりと、いろいろと使えます。
びっくりするくらい色が黒いのが特徴で、効果時間に余裕があるので位置決めもしやすいです。
ちょっと変わった瞬間接着剤ですね。
硬化後はほんの少し弾性があるので、これを活かした加工(主に補強や小さな穴埋め)なんかにもってこいです。
デザインナイフでも削りやすい素材です。












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↑こちらは
セメダイン「スーパーXクリア 超多用途・高機能」です。
接着剤のメーカーというと他にも
アロンアルファなども有名ですね、類似のものも多いかと思います。

これらの工業用の接着剤は何がすごいって、ほとんどあらゆるものをくっつけます。
布だろうがゴムだろうが金属だろうがコンクリートだろうが・・・言い出せばキリがないくらい。。。
こういった接着剤もあるのだと覚えておきましょう。
*ただしポリパーツはやはりくっつけることは出来ない。











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↑ガンプラではありませんが、画像は
figma「けいおん!!鈴木純(なんちゃって改造)」
先ほどの
セメダイン「スーパークリアX 超多用途」を使用しています。
自作改造(頭部や専用のベースを製作)なので、なんともですが・・・アイプリント(デカール)などの接着等に使用しました。
先ほどのセメダインは硬化後も粘着性(弾力性)のあるタイプの瞬間接着剤で、少し変わっています。
自作のデカールは非常に薄くて脆いので、この薄いデカールを保護するような感じで使用しています。
ちょっとマニアックな瞬間接着剤ですが自分にあった接着剤を探してみるのも良いかと思いますよ。

セメダインのスーパークリアXシリーズは多用途なのでオススメです。







それと、ついでに。















↑こちらは一時期有名になった瞬間接着剤、
セメダイン「PPXセット P6g CA-522」です
何度もポリパーツはくっつけることが出来ない、と申して来ましたが、実はこちらの接着剤なら可能とのこと。
シリコンもくっつけることができるとか・・・すいません、使う機会がないため持っていません(笑)
必要な方もいらっしゃるかと思いましたので、一応紹介しておきます(笑)

いろいろ探してみると楽しいかもしれません、というか、そのうちもっと高機能な接着剤が出てくるんだろうなぁ。。。
と思っている今日この頃です(笑)
















↑こちらは
クレオス「美透明接着剤」です。
瞬間接着剤の白化を抑えたクリアな接着が可能となります。
ガンプラにはクリアーパーツなど接着させるときに極力白化して欲しくない部分が存在します。
こういったパーツの接着などにはこれらのクリアな接着剤を使用すると良いでしょう。
携帯をデコレートしたり、手芸などにも使われるので女性の方が持っていたりする接着剤です。
瞬間接着剤の部類ですが、速乾性が低いのでしっかり乾燥時間をとること。











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↑こちらは
WAVE「瞬着硬化スプレー」です。
瞬間接着剤は速乾性がウリですが、どれもすぐに硬化するものではありません。
このスプレーを使用することで、より素早く硬化させようという非常に便利な商品です。
動いては困る細かな小さなパーツをすぐに接着させたいとか、重力でヘタレてしまう前に接着させたい場合に便利。


が、しかし・・・このスプレーすげぇ臭いでございます・・・( ・∀・)r鹵~プシュ-

最近では模型雑誌でもこれを使えば時間短縮が・・・というようにやたらと使うように勧めていますが、
プロの方ならともかく(納期があるため時間がない)、瞬間接着剤を使用して合わせ目消しを推奨するような風潮はどうかと・・・。
腕や足は可動するため合わせ目消しの強度を考えてもそうですし、とりあえず塗装するためにちゃっちゃと作って、
見栄えだけを追求するのは疑問に思います。(別にいけないわけではないので、自由に作って結構ですが・・・。)
安易に瞬間接着剤で作ると当然衝撃に弱く、後にクラック(ヒビ割れや破損)などを引き起こすことも考えられます。
便利な商品ですが、時間短縮や見栄えだけでなく耐久性なども考慮して使用したいところですね。

オークションなどでこういう作り方をしている人がいたら要注意です。
あなたの周りにもやたらと早く造り上げる人・・・いらっしゃいませんか?

ガンプラは綺麗な塗装だけが美しいと評価されるものではありません。
既にあなたなら瞬間接着剤とプラセメントのどちらで作ったものが強度が強いかもうお分かりですよね?








 

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まるで下水の臭いが・・・orz
















まずは接着剤を買って使ってみよう!




さて、長いこと見て参りました、お疲れ様です。
「接着剤基礎編」でしたが、いかがでしたでしょうか。

まずは接着剤は大きく分けて2タイプある、そしてそれぞれに特徴があること理解しましょう。
この基礎がいかに重要か、お分かりいただけたのではないでしょうか。
接着剤を理解することは今後のガンプラ工作の行方を左右するものとなります。


さらなる接着剤応用編などは次回でシミュレーション・トレーニングしていきます。


とりあえず、ご自身で見て触って、接着剤がどんなものかを分析してみてください。
このトレーニングの内容があなたの力になるかと思います。


さて、今回の「接着剤基礎編」はここまでです。
さらなるトレーニングはまたの機会に致しましょう。
分からない場合はもう一度読み返してみましょう、まずは接着剤について知ること(視察・情報の分析)が重要です。


ご感想などありましたら「G-SOLDIER ADVANCE」のBBSやアンケートなどに書き込んでやって下さい。
「量子演算コンピュータのNeal」が喜びます(笑)





<LESSON 12 接着剤基礎編クリア!>

*おめでとうございます、あなたに
”操舵士 リヒテンダール・ツエーリの称号を与えます!「量子演算コンピュータのNeal」








「LESSON 12」をクリアしたら、次の「LESSON13」へ進みましょう。

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